東海大学医学部付属八王子病院外科  潜在性腫瘍細胞(ONCs)研究会編集

         


八王子病院
外科の専門的特色
 
大腸がんの集学的治療について
 
 
術後の抗癌剤治療は、
“安全・確実・快適”をモットーに
  外来で通院しながら行います

   



もし、あなたの癌は再発しない可能性が高いとしたら?
あるいは、あなたの癌は不幸にも転移,再発する可能性が高いとしたら?

もしもそれが分かるとしたら、どうでしょうか?本当に有効な治療を確実に受ける事ができるようになり、無駄な治療をしなくて済むことにはならないでしょうか?

大腸癌は手術(根治治癒切除術)を受けても転移と再発を生じて生命を脅かすことがあるから怖いのです。(実際にはリンパ節転移の有無がもっとも重要な目安となります)


i) 大腸癌ステ-ジ IIの患者様
(リンパ節転移を認めない)
主として(ご自宅での)経口抗癌剤の服用になります。
ii) 大腸癌ステ-ジ IIIの患者様
(リンパ節転移を伴う)
主として静脈注射を5〜6ヶ月間行った後に、
経口抗癌剤の服用になります。


近年増加傾向にある大腸癌・肺癌・乳癌など種々の悪性疾患では, 化学療法のレジメン(投与薬剤/投与量/投与方法・・・)が各疾患別にほぼ世界標準化されております。特に大腸癌では、手術後の抗癌剤治療を患者様の御自宅から通院しながら外来で安全に施行可能であることが確認され、外来化学療法として広く日常診療で行われるようになりました。



より個別化した大腸癌の治療をめざして

近年、我が国における原発性大腸癌の治療成績は、手術的治療に加え化学療法や放射線療法などの補助療法の発展と共に著しく改善されてきております。

特にリンパ節転移を伴わない病気進行分類の2番目(ステ-ジII)の大腸癌症例における根治治癒切除症例では、5年再発なく健在している可能性(5年生存率)は約80%(結腸:84.5±2.8%、 直腸:79.8±4.0%)と報告されております。しかし、これら根治治癒切除症例においても、約20%は肝や肺などへの散発的な血行性転移・再発を生じることが多く、生命予後を脅かすことが知られております。


 
 

 

 
 
 
 
 
 
 
 
八王子病院のステ-ジ IIIa・Vb の全成績
(2002年4月開院〜2013年12月)
 
5年-無再発生存率 2014 
 
 
縦軸は生存している可能性(生存率; %)、横軸は手術後の年数(年)を表しており、表には各ステ-ジ別の5年生存率が記載されております。
 
 
5年-全生存率 2014 
 
 
縦軸は生存している可能性(生存率; %)、横軸は手術後の年数(年)を表しており、表には各ステ-ジ別の5年生存率が記載されております。
 
 八王子病院の大腸癌ステ-ジ Vの全成績は、5年生存率ステージVa症例:73.8% (対象186名), ステ-ジVb症例: 60.1% (対象70名)でした。特に当院のステージVa症例は、約70%以上と極めて良好な成績であり。Vb症例でも約60%まで成績が向上しております。これは近年の多剤併用の新規抗がん剤投与が大きく寄与しているものと推測されます。
 

 
 

 

 
 

 

 

 

 
 
 
 
 

 
 

 
 
 



予測される副作用は?


これまでに報告されている主な副作用としては、食欲不振、悪心、嘔吐、下痢、皮膚や爪の黒ずみ、口内炎、全身倦怠感などがありますが、脱毛は比較的少なく、症状の程度により投薬量の減量や休薬により症状はほとんどの場合軽快することが多いようです。私たちは、日本癌治療学会の副作用グレ-ド分類に準拠し、抗癌剤の減量および休薬の基準、試験中止の基準も厳密に設けておりますので、上記の症状が現れた場合にはご遠慮無くお申し出ください。

 
 




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