 |
|
|
Isolated tumour cells (ITC) are single tumour cells or small clusters of cells not more than 0.2 mm in greatest dimension that are usually detected by immunohistochemistry or molecular methods, but which may be verified with H and E stains. ITCs do not typically show evidence of metastatic activity (e.g.,proliferation or stromal reaction) or penetration of vascular or lymphatic sinus walls. Cases with ITC in lymph nodes or at distant sites should be N0 or M0, respectively. The same applies to cases with findings suggestive of tumour cells or their components by non-morphologic techniques such as flow cytometry or DNA analysis. These cases should be analysed separately. Their classification is as follows. ・・・ |
|
Cases with only isolated tumour cells (ITC) in regional lymph nodes are classified as pN0. ITC are ・・・ |
|
 |
|
遊離腫瘍細胞(ITC)は孤立した腫瘍細胞、または小さな細胞集簇で、最大径は0.2mm以下である。通常は免疫組織化学的検査、または分子生物学的検査で検出されるが、H&E染色でも確認することができる。一般的に、遊離腫瘍細胞は転移反応 (例えば増殖や間質性反応)、また血管壁やリンパ節辺縁洞壁への穿通などの証拠を示さない。所属リンパ節や遠隔部位におけるITCを認めても、N0、またはM0と分類する。この原則はフローサイトメトリー、またはDNA分析などの非形態学的検査で腫瘍細胞や腫瘍細胞の成分の存在が示唆される場合も同様である。これらの症例は個別に分析しなければならない。ITCは下記に従い記載する。・・・ |
|
所属リンパ節において、遊離腫瘍細胞(ITC)のみを認めた場合はpN0に分類する。遊離腫瘍細胞とは単一の腫瘍細胞群、または小さな細胞集塊で大きさは0.2mm以下である。・・・ |
|
以上より、ONCsとITCsとの差異について要約致しますと、 |
|
 |
|
1) |
Lymph node sinusesのfloating single cancer cellsは、免疫染色によってのみ判定が
可能である(特願, 2002-348224; Oncol Rep 10: 1165-1169, 2003; Oncol Rep 10: 1177-1181, 2003; Oncol Rep 10: 1753-1758, 2003)。 |
|
|
|
 |
|
 |
|
2) |
ONC-cluster(≦10 ONCs) / malignant micro-aggrigates(>10 ONCs)などの0.2mm以上の大きなfloating clustersが多数散在して認められた場合をOccult systemic metastasisとする(Oncol Rep 14: 173-175, 2005)。 |
|
|
|
3) |
2)のONC-clustersの発現は肝/肺への遠隔転移/再発に対する再発高危険群としてのmicro-metastatic foci/micro-transplant fociと考えられ、より悪性度が高いものと認識しております(Oncol Rep 16: 405-410, 2006; Oncol Rep 16: 865-870, 2006)。 |
|
|
|
 |
|
4) |
直腸癌の局所再発にはextranodal ONCs / extranodal ONC-clusterとしてリンパ節外に浮遊するONCsの関連についても近年言及しております(Oncol Rep In press, 2007; Oncol Rep In preparation, 2007)。 |
|
|
|
・・・以上の4点などがあげられますが、両者(ONCs/ITCs)はかなりリンクしているものとも考えられます。 |
 |
|
|
最近では、末梢血や骨髄に認められる癌細胞をcirculating tumor cellsなどとも呼ばれておりますが、2002年当時は“micro-metaをもっと研究しよう”という主旨から始まった会でもあります。免染陽性でゴミのように浮遊する癌細胞の発見が本研究会の出発点でありました。勿論、TNM分類の第6版は読んでおらず、ITCsに関する記載は2003年の夏頃に漸く知りましたが、“H.E.stainでも判定可能である”との条文があった為、免染によってのみ判定可能であるものと定義するfloating
ONCsとは性質を異にするものと考えておりました。さらに余談になりますが、欧米では乳癌に加えて消化管の癌の手術においてもD2
Lymph node(LN) dissectionには否定的でありますが、(生存成績への関与の有無を除外したとしても)わが国のStandard
D2 dissectionは、真のpN0(n0)をより客観的に評価する為の手術術式;特に切除エリアを各個体間において比較的明瞭に均一化した共通のLN回収方法であるという大きなメリットが含まれております(Oncol
Rep 10: 927-934, 2003)。 |
|
いずれに致しましても、当初は全く半信半疑でありOccult として、Cancer cells
or tumor cells or neoplastic cellsと考えましたが、全く未知であり怪しいことからNeoplastic
cells; 従ってONCsと命名し、もうすぐ5年を迎えようとしております。ONC-clustersは肝/肺への遠隔転移/再発に対する根源であるとする基本コンセプトを証明するために、本当に小さな町工場のような研究会ではありますが世界のTNM分類の部分改訂をめざして日々精進しているつもりでございます。誠に小さな私的企画でありますが前方視的検討の中間解析を既に終えております(Oncol
Rep 16: 405-410, 2006)。 |
|
 |
 |
|
5年追跡後の最終解析結果:ONCs発現群においては、ステージV症例で有意差は認められないものの生存率が若干低下する傾向にあり、更なる症例集積数が今後必要と考えられます。現在、ONCs単体群(floating
single cells)に加えONCs複合体群(floating clusters)を含めた詳細をさらに検討中です。ONCs研究会のさらなる発展の為に、今後共諸先生方・皆様のご指導・ご鞭撻の程何卒宜しくお願い申し上げます。 |
|
ONCs事務局代表 向井正哉 |