Google Yahoo MSN
   



 近年、腹腔鏡を用いたLaparoscopy-assisted colorectal surgery(LACS:腹腔鏡下大腸切除術)による低侵襲手術が著しく普及しました。特に欧米諸国や中東では、体格等の違いからHand-assisted laparoscopic surgery(HALS:用手補助腹腔鏡下手術)が盛んに行われております。一方、わが国のLACSは、カメラ用portを含め、主として5-6 portで操作し、35-45mmの小切開創を用いる完全鏡視下手術Complete & pure-LACSが主流となっております。しかしpure-LACSでは、術者と第一助手が用いる鉗子類4本による手術操作が主体となり、円滑なカメラ操作を含め、習熟した外科医が3人以上必要で、医師の育成/技術指導、麻酔科医等のスタッフや手術室不足、さらには多額の医療材料費等が大きな課題となっております。

また、種々の臓器において体腔鏡/腹腔鏡を用いた手術の長所・短所が解明されつつある昨今、患者さんにとって本当の低侵襲手術(Minimally invasive surgery)とは何なのか?本来どうあるべきなのか?という議論も、医学会だけではなく各方面で行われるようになりました。当研究会にもpure-LACSを駆使する先生方、IBD系の先生方や呼吸器系pure-VATSの先生方が参加されるようになり、従来のHALS手技は、50-60mmの小切開創からの直視下操作や完全鏡視下手技等を適宜併用する、次世代型のHybrid-HALSに進化しつつあるように感じます。

HALS研究会は、全国全科 HALSer の集いであり、“安全・確実な手術手技は未来永劫絶対になくならない”という基本コンセプトを掲げ、2010年に発足しました。第1回HALSグループミーティングを企画した時は本当に小さな会でしたが、近年では泌尿器科や消化器外科(食道・胃・大腸)に加え、肝胆膵脾領域や、呼吸器外科の先生方にもご参加いただける会へと成長しております。今後ますます全国の HALSer の皆様と友好の輪を広げ、お互いが信じる HALS手技の質を高め合い、患者さん中心の医療に微力ながら貢献していく所存です。今後共、ご指導ご鞭撻およびご協力の程、何卒宜しくお願い申し上げます。



 HALS研究会事務局長/向井正哉
 





 Copyright © 2012 HALS-RG All Rights Reserved